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どこにでもある戯れ言日記です。 日々のつぶやきから萌えの叫びまで。
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PKGDCQで140字(を大幅にオーバーした何か)。
あまりにも長かったのでブログに移しました。

タイトル通り、某有名TPRGをモチーフにした短文です。
どちらもコロナ視点。
前半はバジルとの会話、後半はテラとの会話です。


「――占い師は重々しく告げた。
かの騎士は人間に非ず、あれこそ忌むべき狼憑きだ」
「バジル様、ここにおられましたか」

私が声を掛けると、国主はまるで幼い子供のように狼狽えた。
これ以上彼を怯えさせないよう、努めて穏やかに尋ねる。

「先程、貴方が諳んじていた詩は?」
「我が国に伝わる物語です。
人族と魔族との諍いを描いた、よくある御伽噺ですよ」

ある人族の村に魔族が紛れ込んだ。
魔族は夜毎人族を襲い、人族は毎日魔族と思しき者を吊るす。
――成る程、魔族を嫌う国らしい物語だ、と思った。

「……中でも占い師は、魔族と人族を見分ける唯一の存在です。
それ故に何度も危機に陥るのですが、
その度に魔族を欺く人族の手さばきがとても見事で……」

そこでようやく話し相手も魔族であることを思い出したのか、
気まずそうに黙ってしまった。

「ああ、私のことはお気になさらず」
「申し訳ございません……。
常に聡明な補佐様を拝見して、物語の占い師を思い出したのです」
「確かに私も占術の覚えはありますが、人族と魔族を見分ける程の力量はございません。
尤も、この国では必要のないことですが」

そう言うと、国主はさらに縮こまってしまった。

*

……そして私は告げましょう。かの騎士は人間に非ず。

「あれこそ忌むべき、狼憑きだ」

突然そう言われた異国の騎士は怪訝な顔をした。私は一礼して続けた。

「どうやら私にも、物語の占い師になれる素質があったようです。
……貴方は魔族なのでしょう」
「俺が魔族?馬鹿げたことを。
アリアドネの補佐ともあろう御方が、突然何を言いだすかと思えば――」
「違っていたならお詫びいたします。しかし隠す必要はございません。
新月の夜とはいえ、その血を抑えるのは容易ではないとお見受けしましたが」

騎士は黙ってそっぽを向いた。赤い瞳が星明かりを反射して光る。
いつかあの国主に教わった、物語の題を思い出しながら言った。

「貴方に、改めて問いましょう――」


最後の台詞とタイトルが繋がる文章を一度書いてみたかったんです。
なお本家TPRGは基本的なルールと役割しか知らないので
人狼が騎士を騙ることがあるのかどうかは知りません。

しかし口調がだだ被りである。
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